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恥ずかしさと受験でいつの間にか冷めてしまったサンリオ愛を今、久しぶりに燃やしているリアルサンリオ男子

サンリオのメディアミックスプロジェクト「サンリオ男子」。サンリオキャラクターが好きな架空の男子高校生たちを描いた作品である。
ところで、現実世界にも少数派ながら、彼らに負けず劣らずサンリオキャラクターに熱中する男性が存在している。言わば、「リアルサンリオ男子」だ。
この企画では毎回一人のリアルサンリオ男子にインタビューする。リアルサンリオ男子化の原点をたどりながら、一人の男性が送る素敵なサンリオライフに迫る。キャラクター愛も存分に語ってもらおう。

今回のリアルサンリオ男子は、都内の中高一貫校に通うユータさん(16)。
学校では川谷絵音が大好きな男子高校生として振る舞う。しかし、学友とつながっているTwitterの“リア垢”のツイートは、サンリオの“サ”の字も見当たらない。男子校という環境では自分の本当の趣味が受け容れられないかもしれないと危惧し、講じた予防策なのだという。

リアルサンリオ男子になるまで

──ユータさんがサンリオにハマったきっかけは何だったのでしょうか?

ついこの前、母がけろけろけろっぴの巾着袋を見せてきたんです。よく見たら1989年製。そして、「これは母さんが子供のときに買ったグッズだよ」って。母は昔からサンリオが好きだったんだと思います。
そんな母なので、僕が小さかったころはよくピューロランドに連れて行ってくれました。初めて行ったとき、僕は2歳でした。パレードの断片的な記憶しかないんですが、そのあと「また連れてってほしい」なんて言っていたんでしょうね。5歳のときにはもう年間パスポートも買ってもらっていたみたいです。

初めてピューロランドを訪れたときのユータさん。

 

──お母様に連れて行ってもらったピューロランドがきっかけということですね。それにしても、もう10年以上もピューロランドに通っているということじゃないですか。

じつはピューロランド通いには一度区切りをつけた時期がありました。僕がまたピューロランドに行くようになったのは一昨年からなんです。

ピューロランドは今でこそ、男性同士が話し合いながらグリーティングの順番を待っているなんて光景も見られるようになってきていますが、当時の男性客といえば、ほとんどが小さい女の子を連れて、ママと一緒に来ているパパなんですよ。たまに彼女に連れられて来ている若い男性もいましたが、本当にそれぐらいで。周りにもピューロランドに行っている男子なんていなかったんです。

前列には小学校の遠足でやってきた子供たち。立ち見の観客(写真上部)はファミリー層か。

 

だんだんピューロは女子が行くものっていうイメージが僕の中に生まれてきて。8歳のときにはもう、ピューロランドに行くことが完全に恥ずかしくなっていました。母には悪いと思いつつ、「もう行かねーよ!」と。
それから7年間、行かない時期が続きました。ずいぶん長いあいだ足が遠のいていたんだなって思いますね。

 

──久しぶりのピューロランドはいかがでしたか?

日付までちゃんと覚えています。2017年の7月29日でした。この日は僕が好きなキャラクターの誕生日で、ピューロランド館内でイベントが開催されていたんです。といっても公式のイベントではなく、ファンが主催したイベントでしたけどね。僕の好きなキャラクターはなかなか公式では開催されないんですよ……。

現地に着いて、開園待ちの行列に驚きました。「こんなに人が来るようになったんだ!」って(笑)。というのも、母に連れられて行っていたころのピューロランドはすごく低迷していたんです。本当に、いつ行ってもガラガラでしたから。
来場者数が増え、大人が増え、さらに男性の割合も増えてきたピューロランド。これだけ変わっていると、もう初めて訪れるようなものです(笑)。

もうひとつユータさんが驚いたこと。それはご飯の味がおいしくなったことだそう。「今のピューロランドで出てくるメニューは確実にこのときよりもおいしくなっています」と振り返る。

 

この日のイベントではグリーティングの時間も設けられていたんですが、これがまた新鮮で。昔はキャラクターのほうが大きかったのに、僕がほんの少しかがんではじめて同じ目線になりました。小さく映るからこそ感じるかわいさもあるんだと気づきましたね。

リアルサンリオ男子の生態

──ユータさんの推しキャラクターは?

ピューロランドに戻るきっかけになったイベントが、ジュエルペットの“ルビー”のバースデーパーティーだったんです。
カプチーノくん(シナモロール)めろぉくん(リトルフォレストフェロォ)、烈子ちゃん(アグレッシブ烈子)も好きなんですが、一番を選ぶならジュエルペットですね。

『ジュエルペット』とは、宝石の目をもつ魔法使いのペット達。
ペット達にはみんな宝石の名前がついてるの。
目の宝石と同じ効果の魔法を使うことが出来るけど、まだまだ半人前。魔法使いのご主人様と一緒に暮らしていて、毎日魔法学校でべんきょうしているよ!
学校にはたくさんのなかまたちがいるよ。
一人前の魔法使いの証は、卒業の時にもらえる“ジュエルマント”。
一人前になってマントがもらえるように日々、魔法の修行に励んでいるペット達のファンタジーな物語。宝石が光り輝くキラキラな魔法の世界へようこそ!

ルビーのバースデーパーティーにて。

 

──そのジュエルペットの中に、とくにお気に入りのキャラクターがいるとか?

ジュエルペットの中には唯一、人間からジュエルペットになったキャラクターがいるんです。それがグラナイト(人間だったときは白石御影)。アニメで彼は、ルビーに恋をしてしまうんです。でも、人間とジュエルペットが結ばれることはあり得ません。人間と動物ですから。

そこで彼が選んだのが、ジュエルペットに転生することでした。最終回でジュエルペットとしてルビーの前に現れ、しっかり結ばれるという衝撃的なラストを飾ったキャラクターなんです。
彼を見ていて、僕もジュエルペットになって同じ目線で過ごしたいと思ってしまいました。

 

──そもそも、ユータさんがジュエルペットを推し始めたきっかけは何だったのでしょうか?

ピューロランドにいったん行かなくなったのが2010年。その翌年のことだったと思います。土曜日の朝、テレビをつけたらたまたま『ジュエルペット サンシャイン』が放送されていました。
筋書きとしてはジュエルペットと人間と、その他諸々の生徒たちが学園内でドタバタラブコメディーを繰り広げるんですが、“女児版の銀魂”と言われるぐらいパロディーしまくるアニメなんです。

それに、僕はいわゆるケモナーでして。自覚したのは最近ですが、小学生のころは『ポケモン』に親しんできましたし、中学入学後には『妖怪ウォッチ』や『ズートピア』にハマった時期もありました。ケモナーの気質自体はずっとあったのでしょう。
ジュエルペットも小さな動物たちがたくさん出てくるアニメです。今にして思えば、ハマったのは必然だったと言えます(笑)。

でも、当時は中学受験が控えていたんです。だんだん塾にいる時間が増えていきました。そうなると、リアルタイムでアニメなんて観ていられません。録画しても再生することはなく、ただデータだけが溜まっていく一方でした。

 

──では、中学受験を終えてからまたジュエルペットにハマったと。

いや、すぐには熱を取り戻せなかったんです。
何とか合格して中学に入ったら入ったで、今度は音楽に興味が移り……。ジュエルペットのことを思い出したのは中学2年生のときでした。このときにはもう、とっくにジュエルペットのアニメの放送は終わっていました。

一方で、ジュエルペットと同じく、サンリオとセガトイズの共同開発で誕生した“リルリルフェアリル”というキャラクターのアニメ『リルリルフェアリル~妖精のドア~』が始まっていたんです。そしてその年のクリスマスイブには、そこにジュエルペットが登場すると。
とりあえず、その回を真っ先に観て、これまでのジュエルペットのアニメもインターネットで観返して。ジュエルペット熱、急上昇して復活です(笑)。

もしあのとき、ジュエルペットにハマっていたことを思い出していなかったら、今でもピューロランドに戻れていないかもしれません。

 

──マイブームが再燃して、お気に入りのグッズも増えてきたのでは?

グリーティングの楽しさを知ってしまったおかげで、グッズはものすごく増えました(笑)。
だから、グリーティングでキャラクターを抱きしめたときの感触を思い出せるようなぬいぐるみが理想のグッズです。なるべく実物に近いサイズで、適度なやわらかさがあるぬいぐるみがいい。そういった点ではハイパージャンボサイズのぬいぐるみがお気に入りですね。“ハイパージャンボサイズ”といっても35センチ程度で、そこまで大きいわけではないんですが、これぐらいのサイズなら抱きしめられますし、置いているだけでも一緒にいる実感が湧いてきます。

ジュエルペットのハイパージャンボサイズのぬいぐるみをはじめ、ユータさんのベッド横にはたくさんのぬいぐるみが並ぶ。

 

ジュエルペットのぬいぐるみを集めて、“痛バ”を作ったこともあります。
特定のジュエルペットだけを詰めた痛バを作っている方はときどきいらっしゃいますが、こうやっていろんなジュエルペットを詰め込んでいるのは僕ぐらいしかいないんじゃないかな。これを持ってピューロランドに行くと、僕と同類の皆さんから「ジュエペ愛を感じます」って言われます(笑)。

ユータさんお手製の痛バッグ。中のジュエルペットたちが外から見える。ルビーとのグリーティングに持っていくととても喜んでくれるらしい。

 

──ユータさんにとって、サンリオのキャラクターはどんな存在なのでしょう?

僕にとってはアイドルですね。今、僕の周りでは乃木坂46や欅坂46が流行っていますが、そういうグループを応援するのと何ら変わりません。グリーティングは握手会。パレードやショーはコンサートっていう表現が一番しっくり来ます。

しかし、いかに僕がケモナーといえど、動物っぽい見た目のキャラクターなら何でもアイドル視できるわけではありません。アイドル視できるかどうかは人間性の有無にかかっています。たとえばキティちゃんって、猫を飼っているんです。“チャーミーキティ”という名前の、キティちゃんによく似た顔の猫を飼っているんです。

 

──キティちゃん自身もかなり猫っぽい見た目なのに、猫を飼っているっていうのはたしかに不思議ですよね。

そうなんです。あれはつまり、そこに人格があるからだと思うんですよ。猫がモチーフであっても、中身は人間だから猫を飼うんだと。
もちろんそれだけじゃありませんけどね。キティちゃんをはじめ、サンリオのキャラクターたちは人間の言葉を話します。文字だって書けます。直立して、二本足で歩きます。
動物っぽさを見た目に残しつつ、人としても表現されているわけです。僕はサンリオのキャラクターのそういう部分にアイドル性を感じます。

リアルサンリオ男子が送るサンリオライフ

──いつもどんな休日をお過ごしですか?

ピューロランドとハーモニーランド以外でジュエルペットに会えるイベントは開催されていないんです。でも、僕はハーモニーランドまでは行くことができません。行きたい気持ちはずっとあるんですが、場所が大分県ではなかなか厳しい。理解のある母でもさすがに「バカなんじゃないの?」って返してきますから(笑)。だから、いまの僕がジュエルペットに会うためにはピューロランドに通うしかないんです。
しかも、僕の通っている高校は土曜日を半休にしているということもあり、丸一日フリーなのは日曜日だけ。とにかく行けるときにピューロランドに行っておかないと、ジュエルペットに会えなくなってしまうかもしれません。

 

──“ジュエルペットに会えなくなってしまう”とは?

ピューロランドの公式サイトにはキャラクターの一覧が掲載されていますが、今あそこにジュエルペットとして載っているのはルビーだけなんです。以前はもっとたくさんいたはずなんですよ。それがリストから消えているということは、もうその子たちには絶対に会えないということじゃないですか。すごいショックですし、それほどまでに人気が下火になってしまっているんだと痛感させられました。

他のジュエルペットたちにがリストから消滅したのは、僕がピューロランドに戻るほんの少し前のことでした。だからいつも「今回が最後かもしれない」って思いながら会いに行っています。今は平均すると月に1、2回は訪れているんじゃないかな。

 

──最近、印象的だった出来事はありましたか?

僕は昨年の夏休み、アメリカのロサンゼルスに留学していました。短期留学なので2週間程度の滞在でしたが、その間にホストファミリーと現地のサンリオショップ・Sanrio Japanese Villageを訪れる機会があったんです。
行ってみて実感したのは、やはりアメリカではキャラクターの人気も日本とは違うということです。

 

──サンリオキャラクター大賞でも、日本と海外ではキャラクターの順位もまったく違いますよね。

そうですね。サンリオの顔としてお店に掲げられているのがキティちゃんじゃなくて烈子ちゃんでしたから。向こうではハローキティよりも人気があるみたいです。

レジの上にはひときわ目立つ、アグレッシブ烈子のネオンサイン。

 

ネオンサインだけではない。店内の壁にはさまざまな表情のアグレッシブ烈子が並ぶ。順に見ていくと表情の移り変わりが楽しめる。

 

もちろん、ちゃんとグッズも置かれている。アメリカの限定品も多いそうだ。

 

帰ってからはホストファミリーとアニメ『アグレッシブ烈子』の鑑賞会を開きました。みんな、烈子が“デス烈子”に豹変すると笑うんです。でも、帰り際に仕事を押しつけられて残業させられているシーンは「あぁ、かわいそうに……」って。そこは笑っていなかったですね。

サンリオのキャラクターが海外でこうやって受け容れられていくのは日本人として誇らしいことです。微力ながら、留学ついでにその後押しをさせてもらいました。

 

──他のリアルサンリオ男子との交流はありますか?

ピューロランドに行けば、高確率でTwitterのフォロワーさんがいらっしゃいますからね(笑)。これは僕に限らず、ピューロランドの常連のリアルサンリオ男子ならほとんどの方が体験していることだと思いますが。

 

──ピューロランドランド以外での交流はないのでしょうか?

僕の行き先がピューロランドなので、どうしてもピューロランドに偏るんです(笑)。でも、最近はピューロランド以外でも交流を広げたいとは思っています。
昨年はクリスマスシーズンに販売されたジュエルペットのクリスマスケーキを買って、都内でクリスマスパーティーを主催しました。参加者6人のうち、5人が男性でしたね。

プリントされているキャラクターはガーネット(上段右)、サフィー(上段左)、ルビー(下段右)、ラブラ(下段左)。購入時、ケーキのプリント部分と同じデザインの缶バッチもついてきたとのこと。

 

ジュエルペットのイベントが公式で開催されることは滅多にありませんが、こういう小規模な企画なら僕でも主催できます。僕と同類の皆さんと“ジュエペ愛”を共有できる企画を今後も考えているところです。

 

 

取材協力・画像提供/ユータ

追記

掲載予定のない写真を誤って掲載し、掲載予定のあった写真を掲載できていなかったため、写真の差し替えを行った。差し替えた写真の詳細は下記のとおり。

“ユータさんが初めてピューロランドを訪れ、パレードを観賞していたときの写真”を誤って2枚掲載していた。
前述の写真のうち1枚を、本来掲載予定であった“ピューロランド館内レストランで食事をしている2歳のユータさんの写真”に差し替え、正しい位置に挿入した。

(2019年2月23日)

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