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ハイブリッド男子、はじめました

『MEN'S NON-NO』よりも『VoCE』や『美的』を読む。
シナモロールとリトルツインスターズが好きな「リアルサンリオ男子」だ。
カフェでハーブティーを飲んだりスイーツを食べたりしている時間を幸せだと思う。
でもそれを他人に言いたくはなかった。
女々しいやつだと思われるのが嫌だったから。
ただでさえ小型・薄型・軽量と三拍子そろった体型や男っぽさの足りない顔立ちのせいで男扱いされにくいのだ。
大学で女友達に「『体の90%糖分でできてます』みたいな顔」と冗談半分で言われたことさえ、いまだにちょっぴり引きずっている。

 

そんな僕だが、ここのところ少しずつ自分を受け入れられるようになってきた。
きっかけは大学のバドミントンサークルで出会った一人の先輩だ。
ファッションセンスがあり、ルックスも上々。
「読者モデルです」と言われたら納得してしまいそうなほどである。
欠点と言えば、チャラく見えることだろうか。
会うたびに髪の色が変わり、Instagramにはリムジンパーティーの写真を載せる。
サークル内でのあだ名は「パリピ」。
平時ならまず仲良くなれなさそうなタイプである。
しかし、偶然にもお互いL'Arc~en~Cielのファンだと判明。
僕らはあっさり意気投合した。

 

仲良くなって1年が経ったある日、サークルで見かけた先輩の肌はいつもよりワントーン明るかった。
それも首から上だけ。
メイクをしていたのは明らかだった。
「もしかしてあの人、メイクしてる?」
僕が先輩の変化に気づいたのとほぼ同時に、どこからかそんな声が聞こえてきた。
嫌な声色というよりも驚きの色を孕んだそれだったが、どうにも「男なのに」と続きそうに思えて心がざわざわしたのを覚えている。

先輩は今では社会人。
久しぶりに再会した彼はもうメイクをしていなかったが、当時のことを思いきって尋ねてみた。
「あぁ、確かにメイクしてた時期があったね。ちょうどジェンダーレス男子に憧れてた時期だ」。

ジェンダーレス男子。
女性顔負けの美意識を持ち、性別にとらわれないコーディネートをする男子のこと。
元々ファッションに詳しかった彼は、Twitterでいち早くジェンダーレス男子の存在を知った。
それからコーディネートにレディースを取り入れ、髪を金色に染めた。
「髪の色に合わせて眉を描く男性もいますよ」という美容師の言葉に後押しされ、CCクリームで簡単なメイクもするようになったのだという。
「ただの自己満足なんだけど、俺は昔から人とは違っていたくて。そのために、好きなものはどんどん取り入れた」。
そう語る先輩を素直にかっこいいと思った。
たとえ自己満足だろうと、周りにどう思われるかなんて気にも留めないその姿勢が眩しかった。

 

先月末、ついにサンリオピューロランドに行ってきた。
シナモン(のぬいぐるみ)をカバンに忍ばせ、パレードを見物した。
人目を気にしなくなるまでもう少し時間がかかりそうではあるが、「自分は女々しいんじゃなくて、時代の最先端を行っているんだ」と勝手に思うことにした。
そう、僕は「ハイブリッド男子」なのだ。

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